応用情報技術者試験の概要と対策
応用情報技術者試験の出題範囲と傾向分析
応用情報技術者試験では、ITエンジニアとしての知識と応用力を幅広く問われます。
出題は大きく「午前試験」と「午後試験」に分かれており、それぞれで求められるスキルや対策方法が異なります。
午前は知識を問う選択式問題、午後は実務に即した記述式問題が中心となっており、単なる暗記だけでは対応できません。
試験範囲は非常に広く、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系といった分類ごとに多様な分野が出題されます。
そのため、効率的に学習を進めるためには、出題傾向を把握し、頻出分野や自分の得意・不得意を見極めることが重要です。
このページでは、出題される分野の一覧や、過去の出題傾向を分析しながら、学習の優先順位や対策方法のヒントを詳しくご紹介します。
合格を目指すうえで欠かせない「出題傾向の理解」を、ぜひここでしっかり押さえておきましょう。
午前試験の出題範囲一覧と出題割合
午前試験では、ITに関する幅広い分野から合計80問が出題されます。
出題範囲は大きく「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3つに分類されており、それぞれに満遍なく対応できる基礎知識が求められます。
各分野の出題割合はおおよそ以下の通りです。

分野カテゴリ | 主な出題領域 | 出題割合(目安) |
---|---|---|
テクノロジ系 | コンピュータ構成、ネットワーク、セキュリティ、データベース、アルゴリズム など | 62.5% |
マネジメント系 | 開発手法、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント など | 12.5% |
ストラテジ系 | 経営戦略、法務、標準化動向、業界動向、システム監査 など | 25% |
特にテクノロジ系は出題割合が高く、基礎知識の土台として重要視されています。
一方でマネジメント・ストラテジ分野は、午後試験にも影響するテーマが多いため、バランスの取れた学習が求められます。
出題傾向を正しく把握することで、限られた学習時間の中で効率的に対策を進めることができます。
本サイトでは、各分野の出題例や対策方法についても別ページで詳しく解説していますので、併せてご活用ください。
午後試験の出題形式と分野選択

応用情報技術者試験の午後試験では、実務に即した記述式問題が出題されます。
全11問が提示され、そのうち問1(情報セキュリティ)は必須、問2~問11から4問を選択して解答する形式となっています(計5問解答)。
問題はそれぞれ出題分野とテーマが明示されており、受験者は自分の得意な分野を選んで解答することが可能です。
以下は、ある年度に出題された問題構成の例です。
問題番号 | 出題分野 |
---|---|
問1(必須) | 情報セキュリティ |
問2 | 経営戦略 |
問3 | プログラミング |
問4 | システムアーキテクチャ |
問5 | ネットワーク |
問6 | データベース |
問7 | 組込みシステム開発 |
問8 | 情報システム開発 |
問9 | プロジェクトマネジメント |
問10 | サービスマネジメント |
問11 | システム監査 |
午後問題は実務での判断・分析・設計能力を問う内容で、長文読解や図表理解も求められます。
選択する4問は、受験者の得意分野に合わせて戦略的に選ぶことが合格の鍵となります。
特に午後問題では、文章構造の理解力・論理的な説明力・図表の読み取り能力が問われるため、
過去問を活用した出題傾向の把握と記述演習が非常に重要です。
学習優先順位のアドバイス
応用情報技術者試験は出題範囲が広く、すべてを網羅しようとすると効率が下がってしまいます。
そのため、限られた学習時間の中で「何を優先的に学ぶか」を見極めることが、合格への近道となります。

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午前試験:
配点が均等であるため、過去問で出題頻度の高い「ネットワーク」「セキュリティ」「アルゴリズム」「データベース」を優先しましょう。
次にマネジメント・ストラテジ系も頻出のため、概要を掴んでおくことが効果的です。
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午後試験:
「情報セキュリティ」は必須のため、最優先で対策しましょう。
その他、自分の得意分野(例:ネットワークやデータベース)に絞って集中的に対策を行うことが効率的です。
不得意分野は無理に手を広げず、選択しない方針で学習を進めるのも戦略の一つです。
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学習段階に応じた重点:
・初期段階:全体像の把握と得意分野の把握
・中盤:過去問演習と頻出分野の強化
・直前期:午後試験の記述対策と苦手分野の確認
全分野を均等に学習するのではなく、「出題頻度 × 得意分野 × 試験形式」を意識した優先順位を立てることで、合格率を高めることができます。
過去問を使った傾向把握のコツ
応用情報技術者試験では、過去問の分析が非常に効果的な学習手段となります。
出題傾向には一定のパターンがあり、特定のテーマが繰り返し問われているため、過去問演習を通じて効率よく出題形式や頻出テーマを把握することが可能です。

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出題テーマの傾向把握
過去5年程度の午前・午後問題を確認し、「頻出分野」と「自分の得意・不得意」を把握しましょう。
午後問題は特に傾向が明確なので、選択する分野を絞って重点的に演習するのが効果的です。
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解く順番・時間配分の確認
試験本番に近い時間で過去問を解くことで、ペース配分の感覚を身につけられます。
午後問題は記述のボリュームが大きいため、時間管理のトレーニングにもなります。
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午前対策はパターンの蓄積がカギ
午前問題は設問形式が類似していることが多く、複数年分の問題を繰り返し解くことで、自然と正答率が上がっていきます。
「1周目は解きながら調べる」「2周目以降は時間を計って解く」など段階的な取り組みがおすすめです。
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解説の理解まで行う
過去問を「解くだけ」で満足せず、解説を丁寧に読み、知識の根拠を理解しましょう。
特に午後問題は、なぜそのような解答になるのかを論理的に説明できるようになることが重要です。
過去問を「傾向把握+解法習得+時間配分訓練」として活用することで、限られた学習時間の中でも効果的な学習が実現できます。