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合格発表日:2025年7月3日(あと49日)

応用情報技術者試験の概要と対策


応用情報技術者試験の難易度・合格率・受験者数

応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中でも「中堅レベル」に位置づけられる国家資格で、IT業界における実践的な知識と応用力を証明するための試験です。
基本情報技術者試験のワンランク上にあたり、ITエンジニアとして一定の経験やスキルを持つことを前提とした出題内容が特徴です。

対象者は、IT業界で2~3年以上の実務経験を持つエンジニアをはじめ、プロジェクトマネジメントや設計業務に関わる中堅層、さらには将来高度情報処理技術者を目指す学生や若手技術者まで多岐にわたります。
また、文系出身で独学によって挑戦する方や、社内の昇進条件として受験を求められるケースも多く、年齢層や職種も非常に多様です。

そのため、「基本情報に合格した後にステップアップとして目指す人」や「IT業界における中間層としてのスキルを客観的に証明したい人」にとって、応用情報技術者試験は最適な国家試験といえます。
ITに関する体系的な理解と、実務に結びついた応用力の両方が試されるため、合格することで信頼性の高いスキル保有者として評価される大きなメリットがあります。


難易度の目安

難易度

応用情報技術者試験の難易度は「中級~中上級レベル」と位置づけられており、基本情報技術者試験よりもワンランク上の知識・応用力が求められます。
単なる暗記だけでは対応できない出題が多く、ITに関する知識の広さに加えて、実務での判断力や課題解決力が問われる内容になっています。

午前試験では、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野からまんべんなく出題されるため、広範な知識をバランスよく習得しておく必要があります。
午後試験では、与えられたシナリオに対して記述形式で解答する問題が中心であり、文章の読解力、要点整理力、論理的な思考力が特に重視されます。

そのため、実務経験のあるITエンジニアにとっては比較的取り組みやすい試験といえますが、未経験の方や情報系以外の学生にとっては、午後試験の記述対策が最大のハードルになる傾向があります。
とはいえ、過去問を通じて出題パターンや記述の型を身につけることで、着実に得点力を伸ばすことができ、独学でも十分に合格が狙える構成です。


応募者、受験者、合格者の推移

応用情報技術者試験は、毎年春期・秋期の2回実施されており、応募者・受験者・合格者数の推移を通じて、試験の人気や受験傾向を把握することができます。
令和1年秋から令和6年秋までのデータを見ると、全体として応募者数と受験者数は増加傾向にあり、令和6年秋には応募者数が6万5千人を超え、受験者数も4万4千人を記録しました。
合格者数も令和6年秋には過去最多の12,613人に達しており、試験の認知度と重要性が年々高まっていることがうかがえます。

一方で、応募者数と受験者数の間には一定の差が存在し、申し込みをしても実際に試験を受けない層が一定数いることが分かります。
これは学業や仕事との両立、準備不足などの理由が考えられますが、逆に言えば受験者の多くは本気で合格を目指して臨んでいるとも言えるでしょう。

また、合格者数の増加は、過去問の蓄積や学習サービスの普及、受験者の戦略的な学習法の向上といった要因も影響していると考えられます。
合格を勝ち取るには、午前・午後の両試験において高い正答率を維持しなければならず、安定した準備と継続的な学習が欠かせません。

実施回 応募者数 受験者数 合格者数
令和7年春58,206人--
令和6年秋65,667人44,243人12,613人
令和6年春55,569人36,730人8,677人
令和5年秋56,073人37,763人8,753人
令和5年春49,498人32,340人8,805人
令和4年秋54,673人36,329人9,516人
令和4年春49,171人32,189人7,827人
令和3年秋48,270人33,513人7,719人
令和3年春41,415人26,185人6,287人
令和2年秋42,393人29,024人6,807人
令和1年秋48,804人30,710人6,605人

今後もデジタル社会の発展とともに、応用情報技術者試験の受験者は増加することが予想されます。
安定したキャリア形成の一歩として、応用情報技術者試験は非常に有効な選択肢であり、統計的にもその価値が裏付けられています。


合格率の推移

応用情報技術者試験の合格率は、おおむね 20%前後 で安定しています。
一般的に国家試験としては標準的な難易度とされており、基本情報技術者試験の合格者が次に目指すステップとして適した位置づけとなっています。
特に令和6年秋期は過去10年で最高の合格率(約28.5%)を記録し、全体として合格者数が拡大傾向にあることが分かります。

合格率は年度によって若干の変動がありますが、午後試験の難易度や記述力の対応が合否を左右する大きな要素となります。
学習計画と問題演習を的確に行うことで、独学でも十分に合格可能な試験であると言えるでしょう。