応用情報技術者試験 令和6年春 午前問65 解説付き過去問
問題
EMS(Electronics Manufacturing Services)の説明として、適切なものはどれか。
正解
解説
EMS(Electronics Manufacturing Services)は、電子機器の製造を他社から委託されて請け負うサービスのことを指す。製造設備を保有する企業が、発注元企業のブランド製品を製造することで、発注元は自社で製造設備を保有する必要がなくなり、コスト削減や業務効率化が期待できる。
- EMSの概要
EMSは、委託元企業の設計に基づいて、電子機器を製造する事業形態である。生産設備や製造ノウハウをもつ企業が受託し、製造から検査、出荷までを一貫して請け負うことが多い。
これにより、委託元は以下のようなメリットを得られる。
- 製造設備への投資不要
- 製造業務のアウトソーシングによる経営資源の集中
- 生産規模に応じた柔軟な対応 - 問題における適用
本問では、「生産設備をもつ企業が、他社からの委託を受けて電子機器を製造する」という記述があり、これはEMSの特徴を正しく表している。EMSでは、あくまで製造の受託を行うため、設計や販売を行うかどうかは委託元による。 - 他の選択肢との比較
- 設計のみの受託は、EMSではなくODM(Original Design Manufacturing)に近い。
- 自社ブランドでの販売は、OEMやODM企業が行うケースであり、EMSは基本的に製造受託が中心である。
- ソフトウェア開発だけの委託もEMSの範囲には含まれない。EMSはあくまで電子機器の「製造」に特化したサービスである。