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次回試験日:2025年4月20日(あと1日)

応用情報技術者試験 令和6年春 午前問66 解説付き過去問

問題

組込み機器のハードウェアの製造を外部に委託する場合のコンティンジェンシープランの記述として、適切なものはどれか。

正解

解説

コンティンジェンシープラン(Contingency Plan)とは、想定外の事態やリスクが実際に発生した場合に備えて、あらかじめ策定しておく対応計画のことである。業務の中断や品質の低下などの被害を最小限に抑えることを目的とする。

  • コンティンジェンシープランの概要
    コンティンジェンシープランは、リスクが顕在化した際に迅速かつ適切に対応するための「備え」であり、予防策(リスクの発生確率や影響の低減)とは異なるものである。
    例えば、自然災害による生産停止、委託先の倒産、部品供給の遅延などが起こった場合に備えて、代替策や対応手順などをあらかじめ定めておくことで、事業の継続性を確保することができる。

  • 問題における適用
    組込み機器のハードウェア製造を外部に委託する場合、部品の調達が遅延または停止するリスクがある。
    このようなリスクが現実になった場合に備えて、代替部品の調達先を確保しておく、在庫を多めに確保する、または納期に余裕を持たせるなどの対応計画を策定しておくことがコンティンジェンシープランに該当する。

  • 他の選択肢との比較
    - リスクの発生確率を低減する取り組みは「リスク回避」や「リスク低減」の戦略にあたり、コンティンジェンシープランではない。
    - 契約における品質保証は「リスクの予防」策であり、これも計画発動後の対応を示すコンティンジェンシープランとは異なる。
    - 委託先の選定方法(見積もりの比較)は計画策定の前段階の意思決定プロセスであり、発生時の対処計画ではない。

このように、コンティンジェンシープランは、リスクが実際に発生したときにどう対処するかを定めた計画であり、部品調達リスクに備える対応計画を策定することがその典型例である。