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次回試験日:2025年4月20日(あと1日)

応用情報技術者試験 令和6年春 午前問54 解説付き過去問

問題

工場の生産能力を増強する方法として、新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。 次の条件で、期待金額価値の高い案を採用するとき、採用すべき案と期待金額価値との組合せのうち、適切なものはどれか。 ここで、期待金額価値は、収入と投資額との差で求める。

〔条件〕
  • 新規システムを開発する場合の投資額は100億円であって、既存システムを改修する場合の投資額は50億円である。
  • 需要が拡大する確率は70%であって、需要が縮小する確率は30%である。
  • 新規システムを開発した場合、需要が拡大したときは180億円の収入が見込まれ、需要が縮小したときは50億円の収入が見込まれる。
  • 既存システムを改修した場合、需要が拡大したときは120億円の収入が見込まれ、需要が縮小したときは40億円の収入が見込まれる。
  • 他の条件は考慮しない。

正解

解説

この問題は、将来の需要に関する不確実性を考慮して、期待金額価値(Expected Monetary Value:EMV)を基に、2つの案のどちらを採用すべきかを判断するものである。
期待金額価値は、各ケースの「収入-投資額」に、それぞれの発生確率を乗じて合計することで求められる。

ここでは、2案それぞれに「需要が拡大する場合」と「需要が縮小する場合」の2通りのケースが与えられており、次のように計算する。

  • 新規システムを開発する場合
    - 投資額:100億円
    - 収入(拡大):180億円 → 利益=180-100=80億円(確率70%)
    - 収入(縮小):50億円 → 利益=50-100=▲50億円(確率30%)

    計算式:
    80 × 0.7 + (▲50) × 0.3
    = 56 + (▲15) = 41億円

  • 既存システムを改修する場合
    - 投資額:50億円
    - 収入(拡大):120億円 → 利益=120-50=70億円(確率70%)
    - 収入(縮小):40億円 → 利益=40-50=▲10億円(確率30%)

    計算式:
    70 × 0.7 + (▲10) × 0.3
    = 49 + (▲3) = 46億円

このように、両案の期待金額価値を比較すると、既存システムの改修案のほうが期待金額価値が高いことが分かる。

したがって、期待金額価値の高い案は既存システムの改修案であり、その期待金額価値は46億円となる。
この結論と一致する組合せが正解となる。