応用情報技術者試験 令和6年春 午前問48 解説付き過去問
問題
リーンソフトウェア開発において、ソフトウェア開発のプロセスとプロセスの所要時間とを可視化し、ボトルネックや無駄がないかどうかを確認するのに用いるものはどれか。
正解
解説
リーンソフトウェア開発では、無駄の排除やプロセスの最適化を重視する。この中で、開発プロセスの流れや各工程の所要時間を視覚的に把握し、改善の手掛かりとするために用いられるのがバリューストリームマップである。
- バリューストリームマップの概要
バリューストリームマップ(Value Stream Map)は、製品やサービスが顧客に届くまでの工程を時系列で図示し、各プロセスにおける所要時間や待ち時間、手戻り、在庫などの情報も併せて記載する図である。
ソフトウェア開発においては、要件定義から設計、実装、テスト、リリースに至る各工程を対象に、どこに時間がかかっているか、どこで無駄が発生しているかを明らかにできる。 - 使用目的と効果
- 各プロセスの所要時間を可視化することで、全体のリードタイムを把握しやすくなる。
- ボトルネックや非効率な工程を特定し、改善策を立案する手助けとなる。
- 無駄(ムダ・ムリ・ムラ)を削減し、フローの最適化を図ることで、開発効率と品質の向上に貢献する。 - 他の用語との違い
- ストーリーカードはアジャイル開発で機能要求を表すカードであり、所要時間の可視化には用いられない。
- スプリントバックログはスプリント中の作業項目の一覧で、フロー全体の可視化には不向きである。
- バーンダウンチャートはスプリントの進捗を時間と残作業量で示すグラフであり、プロセスの可視化には使われない。