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応用情報技術者試験 令和5年春 午前問57 解説付き過去問

問題

A社は、自社がオンプレミスで運用している業務システムを、クラウドサービスへ段階的に移行する。 段階的移行では、初めにネットワークとサーバをIaaSに移行し、次に全てのミドルウェアをPaaSに移行する。 A社が行っているシステム運用作業のうち、この移行によって不要となる作業の組合せはどれか。

[A社が行っているシステム運用作業]
  1. 業務システムのバッチ処理のジョブ監視
  2. 物理サーバの起動、停止のオペレーション
  3. ハードウェアの異常を警告する保守ランプの目視監視
  4. ミドルウェアへのパッチ適用

正解

解説

この問題は、オンプレミスからクラウドサービスへの段階的な移行において、どのシステム運用作業が不要になるかを問うものです。
クラウドサービスの種類ごとの責任分担を理解しているかが重要です。

  1. IaaSおよびPaaSの特徴
    IaaS(Infrastructure as a Service)は、仮想化されたサーバ、ネットワーク、ストレージなどのインフラを提供し、それらのハードウェアの管理はクラウド事業者が行います。
    PaaS(Platform as a Service)は、ミドルウェアや開発環境を含めたアプリケーション実行基盤を提供し、利用者はアプリケーションの開発・運用に集中できます。

  2. 各作業の要否
    1. 業務システムのバッチ処理のジョブ監視
      → アプリケーション層の運用であり、IaaS・PaaS移行後も利用者側の作業として残るため、引き続き必要です。

    2. 物理サーバの起動、停止のオペレーション
      → IaaSでは物理サーバの管理はクラウド事業者が行うため、利用者による操作は不要です。

    3. ハードウェアの異常を警告する保守ランプの目視監視
      → ハードウェア監視はクラウド事業者の責任となるため、不要になります。

    4. ミドルウェアへのパッチ適用
      → PaaSではミドルウェアの維持管理はクラウド事業者が行うため、不要です。


  3. 正しい組合せ
    不要となるのは、2(物理サーバの起動・停止)、3(保守ランプの目視監視)、4(ミドルウェアへのパッチ適用)です。
    したがって、正しい組合せは「2・3・4」です。

クラウド移行に伴う運用負担の軽減を適切に見極めることで、効果的な運用設計が可能となります。