応用情報技術者試験 令和5年春 午前問22 解説付き過去問
問題
図1の電圧波形の信号を、図2の回路に入力したときの出力電圧の波形はどれか。
ここで、ダイオードの順電圧は0Vであるとする。


正解
解説
この問題は、ダイオードを用いた回路に正弦波入力を与えたときの出力波形がどのようになるかを問うものです。特に、ダイオードの整流作用とその動作原理について正しく理解しているかが重要です。
- ダイオードの基本動作
ダイオードは、一方向にしか電流を流さない素子であり、順方向(アノードが高電位、カソードが低電位)でのみ電流を流します。
逆方向では電流を遮断するため、電圧の極性によって回路の電流の流れ方が制御されます。 - 回路構成と電流の流れ
設問の回路では、入力信号が正電圧になると、ダイオードは逆方向となり導通せず、電流は流れません。
しかし、入力が負電圧になるとダイオードが順方向になり導通し、電流が流れるようになります。
このとき、出力には入力の負電圧成分のみが現れることになります。 - 出力波形の特徴
入力が正電圧の間は、ダイオードが遮断されるため、出力電圧は0Vとなります。
入力が負電圧になると、ダイオードが導通し、入力電圧がそのまま出力されるため、負の電圧部分だけが出力に現れます。
このような波形は「負の半波整流」と呼ばれます。
したがって、入力信号のうち負電圧部分のみが出力される波形、すなわち負の半波整流波形を示すグラフが正解です。