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応用情報技術者試験 令和5年春 午前問15 解説付き過去問

問題

コンピュータシステムの信頼性を高める技術に関する記述として、適切なものはどれか。

正解

解説

この問題は、コンピュータシステムの信頼性を高めるための代表的な技術に関する用語の理解を問うものです。以下に各用語の正しい意味を整理して解説します。

  1. フェールセーフ(Fail-Safe)
    フェールセーフは、障害や誤動作が発生した場合でも、安全を最優先に動作を停止させる仕組みです。
    たとえば、電車のブレーキシステムでは、空気圧が失われた場合に自動的にブレーキがかかるようになっており、安全な停止が保証されます。
    この方式は、故障が起きないようにするのではなく、「故障が起きたときに安全に停止する」ことを目的としています。

  2. フェールソフト(Fail-Soft)
    フェールソフトは、システムの一部に障害が発生しても、可能な限り機能を縮小して運転を継続する仕組みです。
    たとえば、マルチプロセッサシステムにおいて、一部のCPUが故障した場合でも、残りのCPUで処理を継続するといった動作が該当します。
    「ソフトウェアに起因する障害に限定される技術」というわけではありません。

  3. フォールトアボイダンス(Fault Avoidance)
    フォールトアボイダンスは、「そもそも故障が起きないようにする」ことを目的とした技術です。
    高品質な部品の採用や、設計段階での検証強化、予防保守などがこれに該当します。
    したがって、故障が起きても運用を継続する技術ではありません。

  4. フォールトトレランス(Fault Tolerance)
    フォールトトレランスは、「故障が発生してもシステム全体として機能を維持し続ける」ことを目的とした技術です。
    このために、システムを構成する重要な部品(CPU、電源、記憶装置など)を冗長化・多重化し、1つの部品が故障しても予備の部品で処理を継続します。
    これにより、システムの可用性や信頼性を向上させることが可能になります。

したがって、信頼性を高める技術として正しい記述は、「フォールトトレランスは、システムを構成する重要部品を多重化して、故障に備える技術である」です。