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応用情報技術者試験 令和5年春 午前問16 解説付き過去問

問題

3台の装置X~Zを接続したシステムA、Bの稼働率に関する記述のうち、適切なものはどれか。 ここで、3台の装置の稼働率は、いずれも0より大きく1より小さいものとし、並列に接続されている部分は、どちらか一方が稼働していればよいものとする。

正解

解説

この問題は、直列接続・並列接続によるシステム全体の稼働率の違いを理解しているかを問うものです。装置X~Zの稼働率をそれぞれ x、y、z としたときに、システムAとシステムBの稼働率を数式で比較することで、どちらの構成がより高い稼働率となるかを判定します。

  1. 稼働率の基本公式
    装置を2つ接続する場合の稼働率は以下のように求められます。
    • 直列接続:rtotal = r1 × r2
    • 並列接続:rtotal = 1 − (1 − r1) × (1 − r2)
    この性質を用いて、システムAおよびBの稼働率を導出します。

  2. システムAの稼働率
    システムAは、XとYを並列接続し、その結果をZと直列接続した構成です。
    並列接続部分の稼働率は次の通りです。
  3. 1 − (1 − x)(1 − y) = x + y − xy

    これをZと直列に接続すると、システムA全体の稼働率は以下のようになります。

    (x + y − xy) × z = xz + yz − xyz

  4. システムBの稼働率
    システムBは、XとZを直列接続し、その結果をYと並列接続した構成です。
    まずXとZの直列接続による稼働率は xz、これをYと並列接続すると、次の式が得られます。
  5. 1 − (1 − xz)(1 − y) = xz + y − xyz

  6. AとBの稼働率の比較
    システムA:xz + yz − xyz
    システムB:xz + y − xyz

    両者を比較すると、共通部分「xz − xyz」を除いた差分は「yz」と「y」です。
    x、y、z のいずれも 0 < 値 < 1 であるため、yz < y となります。
    したがって、次の不等式が成り立ちます。
  7. xz + yz − xyz < xz + y − xyz

    このことから、常にシステムBの方がシステムAよりも稼働率が高くなることが分かります。

よって、稼働率が高いのは常にシステムBです。