応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問67 解説付き過去問
問題
H.I.アンゾフが提唱した成長マトリクスを説明したものはどれか。
正解
解説
この問題は、経営戦略論におけるH.I.アンゾフ(Igor Ansoff)が提唱した「成長マトリクス」についての理解を問うものです。
- アンゾフの成長マトリクスとは
アンゾフの成長マトリクス(Ansoff Matrix)は、企業が成長戦略を策定する際に用いるフレームワークです。
縦軸に「製品(既存/新製品)」、横軸に「市場(既存/新市場)」を取った2軸で構成され、4つの戦略領域に分類されます。 - 4つの戦略領域
- 市場浸透戦略
既存製品を既存市場でより多く販売し、市場シェアを拡大する戦略です。 - 市場開拓戦略
既存製品を新市場に展開することで、新たな顧客層や地域に販路を広げる戦略です。 - 製品開発戦略
新製品を既存市場に投入し、既存顧客のニーズに応えることで販売を拡大する戦略です。 - 多角化戦略
新製品を新市場に投入するリスクの高い戦略で、新しいビジネス領域へ進出します。
- 市場浸透戦略
- 他の戦略との違い
- コストや差別化、ターゲットによる戦略分類はポーターの「競争戦略(競争の基本戦略)」です。
- 市場成長率と市場シェアで分類する手法は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の「プロダクトポートフォリオマネジメント」です。
- 内部環境と外部環境の分析は「SWOT分析」に該当します。
したがって、アンゾフの成長マトリクスとは既存製品か新製品かという製品軸と、既存市場か新市場かという市場軸の両軸で捉え、事業成長戦略を考えるフレームワークです。