応用情報技術者試験ナビ ロゴ 応用情報技術者試験ナビ
次回試験日:2025年4月20日(あと1日)

応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問65 解説付き過去問

問題

システム開発の成果物が利害関係者の要件(要求事項)を満たしているという客観的な証拠を得るための検証手法として、JIS X 0166:2021(システム及びソフトウェア技術-ライフサイクルプロセス-要求エンジニアリング)では、インスペクション、分析又はシミュレーション、デモンストレーション、テストを挙げている。 これらのうち、成果物となる文書について要件(要求事項)への遵守度合いを検査するものはどれか。

正解

解説

この問題は、システムやソフトウェア開発における成果物が要求事項を満たしているかどうかを評価する検証手法のうち、文書に対して適用されるものを問うものです。

  1. JIS X 0166:2021における検証手法の分類
    JIS X 0166:2021では、検証の手段として以下の4つが定義されています。
    • インスペクション
    • 分析又はシミュレーション
    • デモンストレーション
    • テスト
    これらは、それぞれ成果物の種類や目的に応じて使い分けられます。

  2. インスペクションとは
    インスペクションは、成果物を人手によって詳細にレビューし、仕様や要件との整合性を確認する検証手法です。
    対象は主に文書(要求仕様書、設計書、計画書など)であり、記述された内容が利害関係者の要件や規格に適合しているかを確認します。
    レビューやウォークスルー、ピアレビューなどもインスペクションに含まれます。

  3. 他の手法との違い
    • テストは、主にソフトウェアやシステムの動作が仕様通りかを動的に確認する手法です。
    • デモンストレーションは、実際に機能を操作・提示して期待どおりの動作を示す手法です。
    • 分析又はシミュレーションは、数値解析やモデルによる再現により、期待される結果が得られるかを評価する手法です。
    これらは主に実行可能な成果物(プログラムやシステム構成など)に対して使われ、文書の内容確認には適していません。

したがって、文書成果物について要件への遵守度合いを検査する手法はインスペクションです。