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次回試験日:2025年4月20日(あと1日)

応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問64 解説付き過去問

問題

IT投資効果の評価方法において、キャッシュフローベースで初年度の投資によるキャッシュアウトを何年後に回収できるかという指標はどれか。

正解

解説

この問題は、IT投資効果を評価するための代表的な指標のうち、「何年後に初期投資が回収できるか」を示すものがどれかを問うものです。

  1. PBP(Pay Back Period)とは
    PBPとは「投資回収期間」とも呼ばれ、初期投資に対して将来のキャッシュイン(収入)によって投資額を回収するのに要する期間(年数)を示す指標です。
    ITシステムの導入などで、どのくらいの期間で費用が回収できるかを把握することで、投資リスクの判断材料になります。

  2. PBPの特徴
    • 計算が比較的簡単で、導入効果を短期的に把握したい場合に有効である。
    • 回収期間が短いほど、投資リスクは低いと判断される。
    • 時間的価値(割引率)を考慮しない点がデメリットである。

  3. 他の指標との違い
    • IRR(内部収益率)は、投資によって得られるキャッシュフローの割引率を求め、利回りを評価する。
    • NPV(正味現在価値)は、将来のキャッシュフローを現在価値に割引計算して、投資による正味の価値を求める。
    • ROI(投資利益率)は、投資に対して得られた利益の割合を評価する。
    これらの指標は、いずれも時間的価値や利益性を評価するのに用いられますが、「何年で投資が回収できるか」という視点ではPBPが最も直接的な指標です。

したがって、キャッシュフローベースで「初年度の投資によるキャッシュアウトを何年後に回収できるか」を示す指標はPBP(Pay Back Period)です。