応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問15 解説付き過去問
問題
アクティブースタンバイ構成の2台のサーバから成るシステムがある。
各サーバのMTBFは99時間、MTTRは10時間、フェールオーバーに要する時間は2時間であるときこのシステムの稼働率はおよそ幾らか。
ここで、二重に障害は発生しないものとする。
正解
解説
この問題は、アクティブ-スタンバイ構成のシステムにおける稼働率を求めるものです。MTBF(平均故障間隔)やMTTR(平均修復時間)、フェールオーバー時間が与えられており、それらの値をもとにシステム全体の稼働率を計算します。
- アクティブ-スタンバイ構成とは
アクティブ-スタンバイ構成は、1台が通常稼働(アクティブ)し、もう1台が待機状態(スタンバイ)として準備されている冗長構成です。アクティブ側に障害が発生した場合、自動的にスタンバイ側へ切り替える(フェールオーバー)ことで、システムの継続的な稼働を実現します。 - 稼働率の基本式
稼働率は、以下の式で表されます。稼働率 = MTBFMTBF+MTTR
まず、1台のサーバの稼働率を計算します。
MTBF=99時間、MTTR=10時間なので、
稼働率(1台) = 9999+10 = 99109 ≒ 0.908
- システム全体の稼働率
アクティブ-スタンバイ構成では、アクティブ側に障害が発生しても、フェールオーバー時間内にスタンバイ側へ切り替えることができれば、サービスは継続されます。ここでは、スタンバイ側が完全に待機できる前提で「システムとして停止するのは、フェールオーバー中の2時間のみ」とみなすことができます。
したがって、1回の故障あたりのシステム停止時間は「フェールオーバー時間=2時間」であり、平均稼働時間はMTBF=99時間なので、
システムの稼働率 ≒ 9999+2 = 99101 ≒ 0.980
以上より、このアクティブ-スタンバイ構成のシステムの稼働率はおよそ0.98です。