応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問13 解説付き過去問
問題
システムの性能を向上させるための方法として、スケールアウトが適しているシステムはどれか。
正解
解説
この問題は、システムの性能向上を目的とした「スケールアウト」という手法が、どのようなタイプのシステムに適しているかを問うものです。
- スケールアウトとは
スケールアウト(scale-out)とは、システムに複数のサーバを追加して、処理能力を分散・拡張する手法です。1台の高性能なサーバに依存するのではなく、複数台のサーバで負荷を分散することで、全体として性能を向上させることができます。Webサーバ、検索エンジン、データ分析基盤、クラウドサービスなど、並列処理がしやすい用途で多く利用されます。
- スケールアウトに適したシステムの特徴
スケールアウトが効果を発揮するのは、処理を複数のノードで分散可能なシステムです。中でも、参照系の処理が多いシステムでは、データの一貫性維持のためのオーバーヘッドが少なく、複数サーバで処理を分担しやすいため、スケールアウトに適しています。たとえば、商品カタログの閲覧、Webページの表示、ログ検索などの用途が該当します。
- スケールアウトに不向きなシステムの例
・バッチ処理のような一括実行が必要な処理では、並列化が困難な場合が多く、スケールアウトの効果は限定的です。
・更新系処理が多く、データの整合性(ACID特性など)を厳密に保たなければならないシステムでは、サーバ間での同期コストが高くなるため、スケールアウトが難しくなります。
したがって、スケールアウトが適しているのは、参照系のトランザクションが多く、複数のサーバによる分散処理が可能なシステムです。