応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問78 解説付き過去問
問題
企業が業務で使用しているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者を処罰する法律はどれか。
正解
解説
この問題は、コンピュータを使用して行われた違法行為に対する法的対応について問うものです。具体的には、マルウェアを用いてコンピュータのデータを消去する行為に対する適用法律を見極める必要があります。
- 不正アクセス禁止法の適用範囲
不正アクセス禁止法は、他人の識別符号を不正に使用し、コンピュータシステムへのアクセスを試みる行為を禁止しています。しかし、この法律は主にアクセスの方法に焦点を当てており、データ破壊行為そのものの処罰には直接言及していません。 - 刑法の役割
刑法は、物理的なものからデジタル資産に至るまで、広範な犯罪行為を規制しています。コンピュータにマルウェアを侵入させ、意図的にデータを消去する行為は、他人の財産を破壊する行為として刑法の器物損壊罪などに該当する可能性が高いです。このような行為は、明確に刑法によって処罰されるものです。 - 製造物責任法とプロバイダ責任制限法の適用外
製造物責任法は製品の欠陥が原因で発生した損害に対して適用される法律であり、このケースには当てはまりません。また、プロバイダ責任制限法はインターネットサービスプロバイダの責任を規定したもので、個々のユーザーによるデータ破壊行為とは関連がありません。
したがって、企業が使用しているコンピュータのデータをマルウェアを介して消去した行為は刑法によって処罰されます。この法律は、物理的および電子的な財産への損害に対して広範囲にわたる保護を提供しており、このケースに最も適切な法律と言えます。