応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問33 解説付き過去問
問題
PCが、NAPT(IPマスカレード)機能を有効にしているルータを経由してインターネットに接続されているとき、PCからインターネットに送出されるパケットのTCPとIPのヘッダーのうち、ルータを経由する際に書き換えられるものはどれか。
正解
解説
この問題は、NAPT(Network Address Port Translation)またはIPマスカレード機能を利用したルータを通じてインターネットに接続する際に、パケットのTCP/IPヘッダーのどの部分が書き換えられるかを問うものです。
- NAPT/IPマスカレードの基本的な役割
NAPTは、ローカルネットワーク内の多数のデバイスが1つの公的IPアドレスを共有してインターネットにアクセスするための技術です。この機能は、各デバイスから発信されるパケットのIPアドレスとポート番号を、一時的に変更してインターネット上での識別を可能にします。
このプロセスにより、外部ネットワークとの通信時には、内部ネットワークのプライベートIPアドレスが公的IPアドレスに「マスカレード(偽装)」されます。 - ヘッダー情報の書き換え
送信元のIPアドレスと送信元のポート番号が、パケットがルータを通過する際に書き換えられます。これは、インターネット上の他のデバイスが応答をローカルネットワークの特定のデバイスに正しく返送できるようにするためです。送信元のIPアドレスは、ローカルアドレスからルータの公的IPアドレスに書き換えられ、送信元のポート番号は、他の内部デバイスとのポート番号が重複しないように一意の値に変更されることがあります。
宛先のIPアドレスや宛先のポート番号は、送信元デバイスからインターネット上の目的地に向けて設定されるため、この段階では変更されません。
したがって、送信元のポート番号と送信元のIPアドレスがルータを経由する際に書き換えられるという選択肢が正解です。これにより、内部ネットワークのデバイスが外部ネットワークとの間で正常に通信を行うことが可能になります。