応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問32 解説付き過去問
問題
TCP/IPネットワークにおけるARPの説明として、適切なものはどれか。
正解
解説
この問題は、TCP/IPネットワークプロトコルの一部であるARP(Address Resolution Protocol)の機能について問うものです。ARPの基本的な役割と周辺の誤解を明確にすることが重要です。
- ARPの基本的な機能と目的
ARPは、IPアドレスを基に対応するMACアドレスを照会するためのプロトコルです。ネットワーク上でデータパケットを送信する際、送信元は送信先のIPアドレスを知っていても、そのハードウェアアドレス、すなわちMACアドレスが必要になります。ARPはこのMACアドレスをIPアドレスから取得するために使用されます。具体的には、ARPリクエストパケットがネットワーク上にブロードキャストされ、該当するIPアドレスを持つデバイスがARPリプライを通じて自身のMACアドレスを返信します。 - ARPと他のプロトコルとの関係
ARPは誤り制御やルーティング制御(ホップ数による経路制御)、IPアドレスの動的割り当てとは異なる役割を持っています。誤り制御は主にTCPなどの他のプロトコルが担当し、ルーティング制御はRIPやOSPFなどのルーティングプロトコルが、IPアドレスの動的割り当てはDHCPがそれぞれ担います。これらはARPとは直接的な関連はありませんが、ネットワーク機能全体としては互いに補完し合う形で機能します。
したがって、ARPはIPアドレスからMACアドレスを得るプロトコルであり、この説明が問題文の選択肢の中で最も正確です。ARPはハードウェアアドレスを照会することに特化しており、他のネットワーク機能(誤り制御、ルーティング、IP割り当て)とは異なる特定の役割を持っています。