応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問27 解説付き過去問
問題
データベースの障害回復処理に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解
解説
この問題は、データベースの障害回復処理の理解を問うもので、障害の種類ごとに適切な回復手法を選ぶ知識が求められます。
- 障害の種類と回復手法の基本
データベースシステムでは、主に論理的障害、システム障害、媒体障害という三つの障害が考えられます。論理的障害は、トランザクションがデータの整合性を損なうことで発生し、ロールバックを用いた回復が必要です。システム障害は、ハードウェアの故障やシステムクラッシュが原因で、ここでの回復はチェックポイントやログファイルを使います。媒体障害は物理的な損傷が原因で、バックアップとログファイルの使用が回復方法になります。 - チェックポイントと回復処理
チェックポイントとは、定期的にデータベースの状態を安全な状態として記録することで、障害発生時にこれを起点としてシステムを回復させる技術です。システム障害が発生した場合、最後のチェックポイントからログを用いて未完了のトランザクションを再実行または取消しを行い、データベースを一貫性のある状態に戻します。チェックポイント以前に完了したトランザクションは、既に安全な状態にコミットされているため、回復作業が不要です。 - 回復処理の誤解を招く選択肢の分析
他の選択肢では、トランザクションの同時更新に関連する論理的矛盾の防止や、異常終了したトランザクションの回復手法について触れていますが、これらは障害回復処理とは異なるコンテキストでのデータ整合性の保持やトランザクションの再実行に関するものであり、問題文が求める「障害回復処理」の直接的な解答とはなりません。
したがって、システムがハードウェア障害によって停止した場合、チェックポイントの取得以前に完了したトランザクションについての回復作業は不要である、という選択肢が正解です。これはデータベースの回復処理において基本的な知識を反映したものであり、正しい処理を理解していることの証となります。