応用情報技術者試験 令和7年春 午前問49 解説付き過去問
問題
分散システムの脆弱性を実験によって発見する手法であるカオスエンジニアリングには、五つの原則がある。
この原則のうちの三つは、"定常状態における振る舞いの仮説を立てる"、"実世界の事象を多様化させる"、"継続的に実行できるよう実験を自動化する"である。
あと二つの原則の組みはどれか。
正解
解説
カオスエンジニアリングは、分散システムの設計と運用において重要な手法であり、その実効性を高めるためには五つの原則が定められています。この問題では、提供されている三つの原則に加え、残りの二つを特定することが求められています。
- カオスエンジニアリングの目的
カオスエンジニアリングの主な目的は、予期せぬ障害や外部からの影響に対してシステムがどのように振る舞うかを理解し、それによってシステムの耐障害性を向上させることです。これを達成するためには、実際の運用環境でのテストが不可欠です。 - 本番環境での実験の重要性
"本番環境で実験を行う"という原則は、開発環境やテスト環境では再現しづらい実際の負荷やデータの流れを考慮に入れるために重要です。本番環境での実験により、実際のユーザーが直面する可能性のある問題を事前に検出し、対処することができます。 - 影響範囲を局所化する
"影響範囲を局所化する"という原則は、実験時に生じる問題が広範囲にわたらないようにするためのものです。この原則に従うことで、もし実験中に問題が発生しても、影響を受ける範囲を最小限に抑え、迅速に原因の特定と対応を行うことが可能となります。
したがって、"本番環境で実験を行う"と"影響範囲を局所化する"がカオスエンジニアリングの残りの二つの原則として正しいことが確認されます。これらの原則を組み合わせることで、システムの耐障害性を効果的に評価し、改善することが可能です。