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合格発表日:2025年7月3日(あと59日)

応用情報技術者試験 令和7年春 午前問47 解説付き過去問

問題

ソフトウェアの保守性を定量評価するときに使用する指標として、適切なものはどれか。

正解

解説

ソフトウェアの保守性を定量的に評価する際に使用する指標は、保守作業の容易さや効率性を反映するものでなければなりません。この問題では、複数の指標が提案されており、それぞれの指標が保守性にどのように関連しているかを理解することが重要です。

  1. 不具合件数とプログラムの規模
    この指標は、プログラムの規模に対する不具合の発生率を示します。これは保守の難易度を間接的に示唆するかもしれませんが、プログラムの保守性そのものを直接的に評価するものではありません。保守性は、ソフトウェアがどれだけ簡単に更新や修正ができるかによって決まりますが、この指標だけでは、その容易さを完全には表していません。

  2. 適正規模の基準を満たすプログラムの数とプログラムの総数
    この指標は、プログラムの全体的な「健全性」を測るものです。プログラムが適正な規模であれば、それは通常、コードが整理され、理解しやすいことを意味し、結果として保守が容易になります。適切な規模のプログラムは、修正や機能追加が行いやすいため、この指標は保守性の良い指標と言えます。

  3. テスト実施済みの分岐の数とプログラムの総分岐数
    この指標はソフトウェアのテストの徹底度を示します。テストカバレッジが高いと、エラーが少なく、安定した運用が期待できるため、一見、保守性が高いと考えられがちです。しかし、これは保守性そのものを直接測るものではなく、むしろ品質保証の観点から重要です。

  4. プログラムの推定総エラー数と摘出エラー数
    この指標は、プログラムに残っているエラーの量を評価します。これも重要な指標ではありますが、保守性の評価とは直接的な関連がありません。保守性は、エラーの数量ではなく、エラーの修正や機能の更新がどれだけ容易かに依存します。

したがって、保守性を最も適切に反映しているのは、「適正規模の基準を満たすプログラムの数をプログラムの総数で割った値」です。この指標は、プログラムが適切な規模で管理されているかどうかを示し、保守がしやすい状態かどうかを反映しています。