応用情報技術者試験 令和7年春 午前問46 解説付き過去問
問題
システムをバージョンアップするとき、システムの稼働環境を二つ用意しておき、一方の環境で現バージョンのシステムを稼働させた状態のままで他方の環境のシステムをバージョンアップし、ロードバランサーなどを使って稼働環境を切り替える。
これによって、切替えに伴うシステムのダウンタイムを短くするとともに、バージョンアップしたシステムで不具合が発生したときには、元のバージョンに切り戻す時間を短くすることができる。
この手法を何というか。
正解
解説
この問題は、ソフトウェアのデプロイメント手法としてブルーグリーンデプロイメントに関するものです。適切なデプロイメント方法を選ぶことは、システムアップデートの際に重要な役割を果たします。
- ブルーグリーンデプロイメントの基本
ブルーグリーンデプロイメントは、二つの完全に同じ環境を用意し、一方が現行バージョン(ブルー)で稼働中のとき、もう一方(グリーン)に新しいバージョンをデプロイする手法です。
この方法では、新しいバージョンのテストと安定性の確認が行われた後、ロードバランサーを使用してトラフィックを新しい環境に切り替えることで、ダウンタイムをほぼゼロに近づけることができます。 - 他のデプロイメント手法との比較
ホットスタンバイは、主システムがダウンした際にバックアップシステムが自動でオンラインになる方式であり、バージョンアップデートとは異なります。
ホットスワップは、システムを停止することなく部品やモジュールを交換する技術です。
ローリングアップデートは、クラスタ内のノードを一つずつ更新していく方法であり、全体のダウンタイムは避けられるものの、ブルーグリーンデプロイメントほどの瞬間的な切替え効率は持ちません。
したがって、問題文で説明されている「一方の環境で現バージョンのシステムを稼働させた状態のままで他方の環境のシステムをバージョンアップし、ロードバランサーなどを使って稼働環境を切り替える」という手法は、ブルーグリーンデプロイメントと呼ばれるものです。