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応用情報技術者試験 令和6年春 午前問20 解説付き過去問

問題

エアコンや電気自動車でエネルギー効率のよい制御や電力変換をするためにパワー半導体が用いられる。 このパワー半導体の活用例の一つであるインバータの説明として、適切なものはどれか。

正解

解説

インバータ(Inverter)とは、直流(DC)電力を交流(AC)電力に変換する装置であり、パワー半導体の代表的な活用例の一つです。エアコンや電気自動車、太陽光発電システムなど、さまざまな分野でエネルギーの効率的な制御や変換を行うために利用されています。

  • インバータの役割
    インバータは、例えばバッテリーのように直流で電力を供給する電源からの電力を、モーターなどの交流で動作する機器に適した形に変換するために用いられます。
    変換の際には、スイッチング素子(パワー半導体)を高速でオン・オフすることによって、直流を交流へと変換する仕組みになっています。

  • パワー半導体の関与
    インバータ内部では、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やMOSFET(電界効果トランジスタ)などのパワー半導体が使用され、高速かつ効率的なスイッチング制御を可能にします。
    これにより、モーターの回転速度やトルクを細かく制御することができ、省エネルギー化に寄与します。

  • 他の電力変換との違い
    - 直流からより高い直流への変換は「昇圧型コンバータ(ブーストコンバータ)」
    - 直流からより低い直流への変換は「降圧型コンバータ(バックコンバータ)」
    - 交流を直流に変換する装置は「整流器(レクティファイア)」
    インバータはこれらとは異なり、「直流→交流」の変換に特化しています。

このように、インバータは直流電力を交流電力に変換するための装置であり、エネルギー効率の向上や精密な制御を実現する上で、重要な役割を果たしています。