応用情報技術者試験 令和6年秋 午前問9 解説付き過去問
問題
量子超越性(Quantum Supremacy)の説明として、適切なものはどれか。
正解
解説
量子超越性(Quantum Supremacy)は、量子コンピュータが従来の古典コンピュータでは実用的な時間内で処理できない計算を、現実的な時間内で実行可能であることを示す概念です。この概念は、量子コンピュータが特定の計算問題において、古典コンピュータの性能を超える能力を持つことを示しています。
量子コンピュータは、量子ビット(qubit)を用いて量子力学の原理に基づく計算を行います。特に、以下の特徴が量子超越性の達成に重要な役割を果たします:
- 重ね合わせ
量子ビットは、0と1の両方の状態を同時に持つことができます。この性質により、大規模な並列計算が可能です。 - エンタングルメント(量子もつれ)
複数の量子ビットが互いに関連付けられ、一方の量子ビットの状態が決まると他方も瞬時に決まる性質です。 - 干渉
計算過程で不要な結果を打ち消し、正しい結果を強調する仕組みです。
これらの量子力学的特性により、量子コンピュータは膨大な計算を効率的に行うことができます。量子超越性は、Googleが2019年に初めて実証したと報告した例が有名で、特定の問題に対する計算で、量子コンピュータが古典コンピュータよりも桁違いに高速な性能を発揮しました。
したがって、「従来のコンピュータでは実用的な時間で処理することができない計算を、量子コンピュータでは高速に実行できること」という説明が正しいです。