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合格発表日:2025年7月3日(あと28日)

応用情報技術者試験 令和5年春 午前問73 解説付き過去問

問題

各種センサーを取り付けた航空機のエンジンから飛行中に収集したデータを分析し、仮想空間に構築したエンジンのモデルに反映してシミュレーションを行うことによって、各パーツの消耗状況や交換時期を正確に予測できるようになる。 このように産業機器などにIoT技術を活用し、現実世界や物理的現象をリアルタイムに仮想空間で忠実に再現することを表したものはどれか。

正解

解説

この問題は、IoT技術を用いて現実の機器や環境を仮想空間上に再現し、シミュレーションや分析に活用する技術の名称について問うものです。

  1. デジタルツインの概要
    デジタルツインとは、現実のモノやシステムの状態を、センサーやネットワークを通じて収集したデータに基づいて、仮想空間に再現したものです。
    現実世界の対象(たとえば航空機のエンジン)の挙動や状態をリアルタイムで反映し、シミュレーションや予測を可能にします。

  2. 活用目的と効果
    デジタルツインを利用することで、以下のような効果が得られます。
    ・機器の稼働状況や劣化状態を常に把握し、予防保守や最適なタイミングでの部品交換が可能になる
    ・設計段階での性能検証や運用中の改善提案がしやすくなる
    ・製造業やインフラ、航空・鉄道など幅広い分野で、コスト削減や品質向上につながる

  3. 他の選択肢との違い
    ・サーバ仮想化は、物理サーバ上で複数の仮想サーバを動かす技術であり、設備の最適利用が目的です。
    ・スマートグリッドは、電力供給の効率化を目的とした電力網の高度化技術です。
    ・スマートメーターは、電力やガスなどの使用量を自動的に計測・通信するメーターです。
    これらはいずれも「リアルタイムに仮想空間で忠実に再現する」といった定義には当てはまりません。

したがって、現実世界の機器や現象をリアルタイムに仮想空間上に再現し、シミュレーションや分析に活用する技術は「デジタルツイン」です。