応用情報技術者試験 令和5年春 午前問46 解説付き過去問
問題
モジュールの独立性を高めるには、モジュール結合度を低くする必要がある。
モジュール間の情報の受渡し方法のうち、モジュール結合度が最も低いものはどれか。
正解
解説
この問題は、モジュール間の結合度(モジュール結合)に関する基本的な理解を問うものです。ソフトウェア設計においては、モジュール間の結合度を低く保つことで、保守性や再利用性を高めることができます。
- モジュール結合度とは
モジュール結合度とは、モジュール間の依存関係の強さを示す指標です。
結合度が高いほどモジュール間の依存が強くなり、仕様変更の影響を受けやすくなります。
結合度が低いほどモジュール間の独立性が高く、変更の影響を最小限に抑えることができます。 - 結合度の種類と強さの順序
結合度の強さは以下の順に分類されます(強い → 弱い):
共通結合(共有データによる)>外部結合(外部変数の共有)>制御結合(制御パラメータのやりとり)>スタンプ結合(部分構造の受け渡し)>データ結合(必要最小限のデータの受け渡し) - データ結合の特徴
データ結合は、モジュール間で必要なデータ項目だけを引数として渡す方法です。
これは、モジュール間の依存を最小限に抑え、独立性を高めるため、最も結合度が低く、望ましい形とされます。 - 他の結合との比較
共通結合や外部結合では、複数モジュールが同じデータ領域を参照するため、予期せぬ影響が発生しやすくなります。
制御結合では、モジュールの制御構造に依存するため、独立性が低くなります。
したがって、モジュールの独立性を高めるには、必要なデータ項目だけを引数として渡す「データ結合」が最も適しています。