応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問80 解説付き過去問
問題
図は、企業と労働者の関係を表している。
企業Bと労働者Cの関係に関する記述のうち、適切なものはどれか。


正解
解説
この問題は、図に示された「企業A・企業B・労働者C」の関係から、契約形態によって発生する指揮命令関係や雇用関係の違いについて正しく理解しているかを問うものです。以下に、それぞれの契約形態における関係性について解説します。
- 出向契約における指揮命令関係
出向とは、労働者が元の雇用契約を維持したまま、他の企業で勤務する形態です。出向元(企業A)と出向先(企業B)との間に出向契約があり、労働者Cは企業Bで働くことになります。この場合、指揮命令関係は出向先である企業Bと労働者Cとの間に生じます。ただし、雇用契約は引き続き出向元である企業Aとの間に存在します。したがって、この選択肢が正しい内容となります。 - 請負契約における指揮命令関係
請負契約は、成果物に対して報酬を支払う契約であり、業務の遂行方法は請負業者(企業A)が独自に決定します。この場合、請負先(企業B)は労働者Cに対して直接の指揮命令を行うことはできません。そのため、企業Bと労働者Cとの間に指揮命令関係は発生しません。 - 労働者派遣契約における雇用関係と指揮命令
労働者派遣契約では、派遣元(企業A)と労働者Cとの間に雇用契約があり、派遣先(企業B)は、業務遂行に関する指揮命令を行いますが、労働者Cと企業Bとの間には雇用関係はありません。よって「雇用関係が生じる」という記述は誤りです。 - 出向と派遣の違い
派遣契約において、派遣先で業務に従事していても、それは「出向」とは異なります。出向は雇用契約を継続しつつ別の企業で働く形態ですが、派遣では雇用契約は派遣元にあり、出向とは明確に区別されます。したがって、「出向しているといえる」という記述は誤りです。
以上のことから、出向契約に基づき企業Bが労働者Cに対して指揮命令を行うことができるという記述が、正解となります。