応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問10 解説付き過去問
問題
ファイルシステムをフラッシュメモリで構成するとき、ブロックごとの書換え回数を管理することによって、フラッシュメモリの寿命を延ばす技術はどれか。
正解
解説
この問題は、フラッシュメモリの寿命を延ばすために使用される技術について問うものです。フラッシュメモリには特有の制約があり、それに対応する仕組みが必要となります。
- フラッシュメモリの特徴と制約
フラッシュメモリは、不揮発性であるため電源を切ってもデータを保持でき、SSDやUSBメモリ、スマートフォンなどに広く利用されています。しかし、書換え可能な回数に制限があり、特定のブロックに繰り返し書込みが行われると、そのブロックが劣化し、データの保持が困難になります。
- ウェアレベリングの役割
この問題を解決するための技術がウェアレベリング(wear leveling)です。これは、フラッシュメモリ内のすべてのブロックが均等に使われるように、書込み回数を分散させる技術です。コントローラが書換え回数を管理し、書込みのたびに物理ブロックを切り替えることで、特定のブロックだけに負荷が集中するのを防ぎます。これにより、フラッシュメモリ全体の寿命を延ばすことができます。
- 他の選択肢との違い
・ジャーナリング:ファイルシステムにおいて障害時の復旧を目的に、変更履歴を記録する仕組みです。
・デフラグ:ハードディスクなどの断片化されたデータを連続領域にまとめて、アクセス速度を改善する処理です。
・ライトアンプリフィケーション:SSDにおいて、実際の書込み要求よりも多くのデータが内部的に書き換えられる現象であり、これは問題点であって対処すべき対象です。
したがって、フラッシュメモリの寿命を延ばすために、ブロックごとの書換え回数を管理して使用を平準化する技術は、ウェアレベリングです。