応用情報技術者試験 令和4年春 午前問58 解説付き過去問
問題
事業継続計画(BCP)について監査を実施した結果、適切な状況と判断されるものはどれか。
正解
解説
この問題は、事業継続計画(BCP)の有効な対策の一部として、どの措置が適切であるかを評価することを目的としています。
- 緊急連絡先リストの作成と更新
事業継続計画において、緊急時に迅速かつ効果的に対応するためには、従業員の緊急連絡先リストが不可欠です。このリストは、災害時に従業員の安全確認や緊急連絡を行う基盤となります。リストを常に最新の状態に保つことは、実際に緊急事態が発生した際に、迅速に情報を共有し、必要な対応を取るために重要です。 - 重要書類の集中保管の問題点
重要書類を一箇所に集中して保管することは、その場所が災害等で被害を受けた場合、全ての重要な情報が失われるリスクを高めます。BCPでは、重要書類を安全な複数の場所に分散して保管することが推奨されます。これにより、一箇所が被害を受けても他の場所に保管された書類で業務を継続できる可能性が高まります。 - 業務の優先順位設定の重要性
すべての業務に対して同一水準のBCPを策定することは効率的ではありません。業務にはそれぞれ事業に与える影響度が異なるため、重要な業務から優先して保護・回復計画を策定する必要があります。これにより、資源を最も必要とする部分に集中でき、効果的な事業継続が可能となります。 - 平時にBCPを非公開とする問題点
BCPを従業員に非公開とすることは、事業継続計画の有効性を低下させる可能性があります。従業員が事業継続計画を知り、理解していることは、実際の緊急事態発生時に計画に従って迅速に行動を起こすためには不可欠です。従業員への教育と訓練を通じてBCPに対する意識を高めることが、計画の成功につながります。
したがって、従業員の緊急連絡先リストを作成し、それを最新の状態に保つことは、緊急時の迅速な対応を可能にするために効果的な措置です。