応用情報技術者試験 令和4年春 午前問26 解説付き過去問
問題
CAP定理におけるAとPの特性をもつ分散システムの説明として、適切なものはどれか。
正解
解説
CAP定理は分散システムにおける重要な概念で、可用性(Availability)、整合性(Consistency)、分断耐性(Partition tolerance)の三つの特性について述べています。この定理によれば、これら三つの特性を同時に完全に満たすことは不可能であるとされています。
- 可用性と整合性
可用性とは、システムが常に応答性を保ち、ユーザーの要求に対してタイムリーに応答する能力のことを指します。一方、整合性とは、全てのノードが同じ時点で同じデータを見ることができる特性を指します。 - 分断耐性
分断耐性は、ネットワークの分断が発生してもシステム全体が正常に機能し続ける能力を指します。ネットワークが分断された場合でも、システムの一部が別の部分と通信できなくなっても、システムの運用が続けられることが求められます。 - 可用性と分断耐性を満たすシステムの特徴
システムが可用性と分断耐性の両方を満たす場合、ネットワークが分断されたとしても、システムは引き続き応答し続ける必要があります。しかし、このとき整合性は犠牲にされることが多いです。それは、全てのノードが同じデータを持つためには、データの更新が全ノードに即座に反映されねばならず、これがネットワーク分断時には不可能になるためです。
したがって、CAP定理においてA(可用性)とP(分断耐性)の特性を持つシステムは、整合性を犠牲にしてこれら二つの特性を確保することが一般的です。よって、「可用性と分断耐性を満たすが整合性を満たさない」という選択肢が正解となります。