応用情報技術者試験 令和4年春 午前問12 解説付き過去問
問題
プロセッサ数と、計算処理におけるプロセスの並列化が可能な部分の割合とが、性能向上へ及ぼす影響に関する記述のうち、アムダールの法則に基づいたものはどれか。
正解
解説
この問題は、アムダールの法則とその効果に関する理解を問うものです。アムダールの法則は、プロセッサ数の増加が全体の性能向上に及ぼす影響を定量的に評価する理論です。
- アムダールの法則の基本式
アムダールの法則では、プログラムを並列化可能な部分と並列化不可能な部分に分け、それぞれの割合に基づいて性能向上の限界を求めます。式で表すと、性能向上比は 11 - P + P/N で計算されます。ここで、Pはプログラムの中で並列化可能な部分の比率、Nはプロセッサ数です。 - 性能向上の限界
並列化できない部分がある場合、その割合が大きくなるほど全体の性能向上比の限界は低くなります。つまり、プロセッサ数を無限に増やしても、性能向上比は 11 - P の値に漸近します。これは、並列化できない部分が全体の性能向上に一定のブレーキをかけることを意味します。 - 選択肢の評価
選択肢の中で、「並列化できない計算処理がある場合、速度向上比は、プロセッサ数を増やしてもある水準に漸近的に近づく」という記述は、アムダールの法則に基づいた正確な記述です。他の選択肢は、アムダールの法則の原理に反するか、誤った理解を示しています。
したがって、正解の選択肢はアムダールの法則に基づくものであり、プロセスの並列化の限界を正確に表しています。