応用情報技術者試験 令和4年春 午前問8 解説付き過去問
問題
プロセッサの高速化技法の一つとして、同時に実行可能な複数の動作を、コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし、高速化を図る方式はどれか。
正解
解説
この問題は、プロセッサの高速化技法に関するもので、特にコンパイル時に複数の操作をまとめて実行する方式について問われています。
- プロセッサの高速化技法の概要
プロセッサの高速化技法には、パイプライン処理、スーパースカラ技術、分岐予測、アウト・オブ・オーダー実行などがあります。これらの技法は、プロセッサが単位時間あたりに実行できる命令の数を増やし、全体の処理速度を向上させることを目的としています。 - VLIW(Very Long Instruction Word)の特徴
VLIWアーキテクチャは、コンパイラが複数の命令を予め静的に組み合わせることで、ハードウェアの複雑さを軽減し、実行効率を高める方式です。この方式では、コンパイラが複数の操作を一つの長い命令ワードにまとめて、それらを同時に実行可能にします。これにより、データの依存関係や実行順序の決定をコンパイラが担うため、プロセッサは実行時にこれらを考慮する必要がなくなり、高速化が図られます。 - 他の選択肢との比較
・CISC(Complex Instruction Set Computing)は、複雑な命令セットを持つことで、ソフトウェアの複雑さをハードウェアが吸収するアーキテクチャですが、コンパイル時に命令を組み合わせる方式ではありません。
・MIMD(Multiple Instruction, Multiple Data)は、複数の処理ユニットが異なる命令を異なるデータセットに対して同時に実行する方式で、この問題の文脈とは異なります。
・RISC(Reduced Instruction Set Computing)は、命令セットを単純化し高速化を図る方式ですが、複数の動作をコンパイル時に一つの命令にまとめる方式ではないため、この問題の答えには適しません。
したがって、コンパイルの段階で複数の動作をまとめて一つの複合命令とし、高速化を図る方式は「VLIW」が正解です。