応用情報技術者試験 令和4年秋 午前問80 解説付き過去問
問題
ソフトウェアやデータに欠陥がある場合に、製造物責任法の対象となるものはどれか。
正解
解説
この問題は、製造物責任法(PL法)がソフトウェアやデータにどのように適用されるかについて問うものです。製造物責任法は、製品の製造過程で発生した欠陥により消費者が損害を受けた場合に、製造者が責任を負う法律です。
- 製造物責任法の基本概念
製造物責任法(PL法)は、製品の安全性を保証するために製造者に広範な責任を課します。この法律は物理的製品に適用されることが多く、その製品が原因で利用者に損害を与えた場合、製造者は損害賠償責任を負います。 - ソフトウェアと製造物責任法の関係
通常、ソフトウェア単体では「物」と見なされず、PL法の適用対象外とされることが多いです。しかし、ソフトウェアが物理的製品の一部として組み込まれている場合(例えば、ROM化されたソフトウェアを内蔵した組込み機器)、その製品全体がPL法の適用対象となります。これは、ソフトウェアが製品の機能を直接制御し、その欠陥が安全上の問題を引き起こす可能性があるためです。 - その他のソフトウェアとデータの扱い
アプリケーションソフトウェアパッケージや利用者がPCにインストールしたOS、ネットワークからダウンロードされたデータは、それ自体が直接的な物理的存在を持たないため、PL法の下で通常は「製造物」とは見なされません。これらのソフトウェアやデータの欠陥が原因で問題が発生しても、製造物責任法の適用は難しいとされています。
したがって、ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器が製造物責任法の対象となる唯一の選択肢です。この製品は物理的要素とソフトウェアが一体となっており、ソフトウェアの欠陥が製品全体の安全性に影響を与える可能性があるため、PL法の適用が認められます。