応用情報技術者試験 令和4年秋 午前問66 解説付き過去問
問題
"情報システム・モデル取引・契約書<第二版>"によれば、ウォーターフォールモデルによるシステム開発において、ユーザ(取得者)とベンダ(供給者)間で請負型の契約が適切であるとされるフェーズはどれか。


正解
解説
この問題は、情報処理推進機構(IPA)が公開している「情報システム・モデル取引・契約書<第二版>」に基づき、ウォーターフォールモデルによる開発において、ユーザとベンダの間で請負型契約が適切とされるフェーズを問うものです。
- ウォーターフォールモデルと契約形態
ウォーターフォールモデルは、要件定義、設計、実装、テスト、導入といった工程が順に進行する開発モデルです。各工程は明確な区切りを持ち、次工程に進む前に前工程を完了させることが前提とされています。
契約形態としては、要件や成果物が曖昧な初期工程では柔軟性のある準委任契約が適しており、逆に要件が明確で成果物の範囲が定義できる工程では請負契約が適しています。 - 請負型契約が適切なフェーズ
「情報システム・モデル取引・契約書<第二版>」では、要件が明確化された後の工程である「システム内部設計」から「システム結合」までの範囲が、請負契約に適しているとされています。
これらの工程では、仕様が具体的に定義されており、ベンダが成果物を納品する責任を負うことができるため、請負契約との整合性が高いとされています。 - その他の工程との違い
「要件定義」より前の工程(システム化構想、システム化計画など)は、業務的・技術的な検討段階であり、不確実性が高く、請負契約には不向きです。また、「導入・受入支援」は、運用環境や現場対応が含まれることが多く、固定的な成果物で管理しづらいため、準委任契約が推奨されます。
したがって、請負型契約が適切なフェーズは「システム内部設計フェーズからシステム結合フェーズまで」です。