応用情報技術者試験 令和4年秋 午前問64 解説付き過去問
問題
投資効果を正味現在価値法で評価するとき、最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。
ここで、期間は3年間、割引率は5%とし、各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。


正解
解説
この問題は、複数の投資シナリオにおけるキャッシュフローを「正味現在価値法(NPV法)」で評価し、最も投資効果が高いシナリオを選ぶものです。NPV法は、将来のキャッシュフローを現在価値に換算して合計し、初期投資と比較することで、投資の是非を判断します。
- 正味現在価値(NPV)の概要
NPVは、将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算した上で、初期投資額を差し引いた値で評価します。
1年後の収益を現在価値に換算するには、「金額 ÷ (1 + 割引率)」を使い、n年後であれば「金額 ÷ (1 + 割引率)n」で計算します。
この問題では割引率は5%で、期間は3年間と設定されています。 - 各シナリオのNPVの比較
シナリオA~Cについて、キャッシュフローの合計はすべて同じ(240万円)ですが、受け取るタイミングが異なります。
早く受け取るほど現在価値は高くなるため、初年度に大きな金額を得られるシナリオが有利です。
具体的に現在価値を計算すると以下のようになります:
・A:40÷1.05 + 80÷1.052 + 120÷1.053 ≒ 214.3 万円
・B:120÷1.05 + 80÷1.052 + 40÷1.053 ≒ 221.4 万円
・C:80÷1.05 + 80÷1.052 + 80÷1.053 ≒ 217.9 万円 - 最も投資効果が高い選択
シナリオBの現在価値が最も高く、かつ初期投資220万円を上回っています。これは、投資によって利益が得られることを意味します。
他のシナリオでは現在価値が220万円未満であり、投資をしないより効果が小さくなります。
したがって、正味現在価値が最も高く、投資効果が大きいのはシナリオBです。