応用情報技術者試験 令和4年秋 午前問26 解説付き過去問
問題
データ項目の命名規約を設ける場合、次の命名規約だけでは回避できない事象はどれか。
[命名規約]
[命名規約]
- データ項目名の末尾には必ず"名"、"コード"、"数"、"金額"、"年月日"などの区分語を付与し、区分語ごとに定めたデータ型にする。
- データ項目名と意味を登録した辞書を作成し、異音同義語や同音異義語が発生しないようにする。
正解
解説
この問題は、データ項目の命名規約がどのような問題を解決しきれないかを問うもので、命名規約の限界を理解することが求められます。
- 命名規約の基本的な役割
命名規約はデータ項目名に一貫性を持たせ、データの解釈や管理を容易にするために設けられます。例えば、データ項目名の末尾に区分語を付与し、その区分語ごとにデータ型を定めることで、データ項目の性質を明確にし、誤ったデータ型の使用を防ぎます。
また、データ項目名とその意味を辞書に登録することで、異音同義語や同音異義語の混同を避け、データの一貫性と正確性を保ちます。 - 命名規約の限界点
しかし、命名規約には限界があり、特定の問題を解決できない場合があります。例えば、データ項目"受注金額"の取り得る値の範囲がテーブルによって異なる場合、これは命名規約の範囲外です。命名規約はデータ項目の名前の構造を統一することには効果的ですが、異なるテーブル間でのデータ項目の意味合いや使用条件の統一には対応していません。このように、命名規約自体がデータの使用上のコンテキストにまで対応するわけではないため、システム全体の設計やデータ管理ポリシーに依存する問題は解決できません。
したがって、"データ項目'受注金額'の取り得る値の範囲がテーブルによって異なる"という状況は、命名規約だけでは解決できない問題の一例です。命名規約は名前の一貫性を保つために効果的ですが、データの意味合いや整合性の問題は別途管理策を設ける必要があります。