応用情報技術者試験 令和3年春 午前問10 解説付き過去問
問題
ディープラーニングの学習にGPUを用いる利点として、適切なものはどれか。
正解
解説
ディープラーニングの学習プロセスでは、大量の数値データに対する計算が必要です。GPU(Graphics Processing Unit)の使用が推奨される理由について解説します。
- GPUの特徴
GPUは元々グラフィックス処理のために設計されましたが、その強力な並列計算能力が科学計算や機械学習の分野でも利用されるようになりました。GPUは多数のコアを持っており、これにより大量のデータを同時に処理することができます。 - 行列演算の処理速度
ディープラーニングでは、特にニューラルネットワークの学習において行列演算が頻繁に用いられます。GPUは汎用の行列演算ユニットを備えており、このユニットが行列演算を高速に行うことができるため、学習プロセスが大幅に加速されます。これは、CPUと比較してGPUがディープラーニングの学習プロセスにおける計算時間を短縮する主要な理由です。 - GPUとディープラーニングの相性
GPUの設計が並列処理に特化しているため、ディープラーニングのような高度に並列な計算タスクに適しています。これにより、ディープラーニングのモデルがより大規模なデータセットをより迅速に学習することが可能となります。
したがって、選択肢の中で「汎用の行列演算ユニットを用いて、行列演算を高速に実行できる」という点がディープラーニングにおけるGPUの利点として最も適切です。この能力により、複雑なニューラルネットワークの訓練が効率的に行えるため、学習時間の短縮と性能向上が期待できます。