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次回試験日:2025年4月20日(あと1日)

応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問73 解説付き過去問

問題

IoTの技術として注目されている、エッジコンピューティングの説明として、適切なものはどれか。

正解

解説

エッジコンピューティング(Edge Computing)は、IoT環境において、データの処理をクラウド側ではなく、データの発生源に近い場所(エッジ)で行う分散型のコンピューティングアーキテクチャである。これにより、処理の高速化や通信負荷の軽減が実現される。

  • エッジコンピューティングの概要
    従来のクラウドコンピューティングでは、全てのデータをクラウドに送信して処理を行っていたが、IoTの普及により膨大なデータが発生するようになった。そのため、センサーやデバイスの近くで演算処理を行うことで、リアルタイム性を高めたり、クラウドへの通信量を削減したりする技術が必要となった。これがエッジコンピューティングである。

  • 導入の効果
    - データの処理を現場近くで行うことにより、ネットワーク遅延の影響を最小限に抑えることができ、リアルタイム性が向上する。
    - 通信回線にかかるトラフィックを削減できるため、ネットワークコストや帯域の使用量を抑えることができる。
    - セキュリティ面でも、重要なデータをクラウドに送信せずに処理できる利点がある。

  • 活用例
    - 製造現場での設備の異常検知や稼働監視において、デバイス上でAI処理を行い、異常がある場合だけ通知を送る。
    - 自動運転車では、車載センサーで収集した情報をその場で処理し、即座に制御に反映させる。

  • 他の技術との違い
    - ウェアラブルデバイスによる生体情報の取得は、IoTの一部ではあるが、エッジコンピューティングそのものの説明ではない。
    - 複数のコンピュータを結ぶことで全体の処理能力を高める手法は分散コンピューティングであり、主に高性能計算を目的としたものである。
    - 環境中のエネルギーを収穫する技術はエナジーハーベスティングと呼ばれ、エネルギー供給手段の一つである。

このように、エッジコンピューティングは、IoTの現場において迅速かつ効率的なデータ処理を実現するための重要な技術である。