応用情報技術者試験 令和3年秋 午前問16 解説付き過去問
問題
ページング方式の仮想記憶において、ページ置換えの発生頻度が高くなり、システムの処理能力が急激に低下することがある。
このような現象を何と呼ぶか。
正解
解説
この問題は、ページング方式の仮想記憶において、システムの処理能力が急激に低下する現象を問うものです。
ページング方式の仮想記憶では、物理メモリに収まらないプログラムやデータを仮想メモリ空間に展開し、必要に応じてページを物理メモリに読み込んで処理を行います。この際、メモリ不足などが原因でページ置換えが頻繁に発生すると、以下のような現象が起こります。
- ページ置換えが頻発
ページ置換えが頻繁に発生することで、ディスクI/Oの負荷が増加し、CPUがディスク操作を待つ時間が長くなります。この結果、実質的な処理能力が著しく低下します。
- システム全体のパフォーマンス低下
ページ置換えに伴うディスクアクセスがシステムリソースを圧迫し、ユーザープロセスの実行が遅れるため、全体的な処理能力が低下します。これにより、特定のプロセスだけでなく、システム全体が影響を受ける状態になります。
このように、ページ置換えの頻度が高くなり、システムの処理能力が急激に低下する現象をスラッシングと呼びます。
スラッシングの主な原因には、以下のような要因が挙げられます。
- 同時に稼働するプロセスが多すぎて物理メモリが不足している。
- プログラムのメモリアクセスが局所性を欠いている。
- 適切なページ置換えアルゴリズムが選択されていない。
スラッシングを防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 実行中のプロセス数を減らす。
- 物理メモリ容量を増やす。
- 効率的なページ置換えアルゴリズムを採用する。
したがって、この問題の正解はスラッシングです。