応用情報技術者試験 令和2年秋 午前問35 解説付き過去問
問題
IPv4ネットワークにおいて、IPアドレスを付与されていないPCがDHCPサーバを利用してネットワーク設定を行う際、最初にDHCPDISCOVERメッセージをブロードキャストする。
このメッセージの送信元IPアドレスと宛先IPアドレスの適切な組合せはどれか。
ここで、このPCにはDHCPサーバからIPアドレス192.168.10.24が付与されるものとする。
正解
解説
この問題は、DHCPクライアントがIPアドレス未設定状態でネットワークに接続する際に送信するDHCPDISCOVERメッセージにおける、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスの適切な組合せを問うものです。
- DHCPDISCOVERメッセージの概要
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、IPアドレスなどのネットワーク設定を自動的に割り当てるためのプロトコルです。
クライアントがIPアドレスをまだ持っていない状態では、まずDHCPDISCOVERメッセージをネットワーク上に送信し、DHCPサーバを探索します。 - 送信元IPアドレスと宛先IPアドレス
DHCPDISCOVERメッセージを送信する段階では、クライアントはまだ自身のIPアドレスを取得していないため、送信元IPアドレスは「0.0.0.0」を使用します。これは「まだアドレスが設定されていないこと」を意味します。
また、DHCPサーバがネットワーク上のどこに存在するかをクライアントは知らないため、宛先IPアドレスにはローカルネットワーク全体を対象とするブロードキャストアドレス「255.255.255.255」を使用します。 - 補足:DHCP通信の流れ
DHCP通信は以下の4段階で構成されます:
- クライアントからのDHCPDISCOVER(ブロードキャスト)
- サーバからのDHCPOFFER(ブロードキャストまたはユニキャスト)
- クライアントからのDHCPREQUEST(ブロードキャスト)
- サーバからのDHCPACK(ユニキャストまたはブロードキャスト)
したがって、DHCPDISCOVERメッセージの送信元IPアドレスは「0.0.0.0」、宛先IPアドレスは「255.255.255.255」となるのが正しい設定です。