応用情報技術者試験 令和2年秋 午前問34 解説付き過去問
問題
TCP、UDPのポート番号を識別し、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの対応関係を管理することによって、プライベートIPアドレスを使用するLAN上の複数の端末が、一つのグローバルIPアドレスを共有してインターネットにアクセスする仕組みはどれか。
正解
解説
この問題は、LAN上の複数の端末が一つのグローバルIPアドレスを共有してインターネットにアクセスするための技術を理解することを目的としています。
- TCP/UDPのポート番号の識別とIPアドレスの管理
NAPT(Network Address Port Translation)は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの対応を管理する技術です。この技術では、内部ネットワークのデバイスが使用するプライベートIPアドレスを外部ネットワークで有効なグローバルIPアドレスに変換します。重要なのは、この変換プロセスがTCPやUDPのポート番号を利用して行われる点です。各内部デバイスからの通信は、一意のポート番号が割り当てられ、これによって一つのグローバルIPアドレスを複数のデバイスが共有することが可能になります。 - 他の選択肢との比較
IPスプーフィングは、他のデバイスやユーザーになりすますために偽のIPアドレスを使用する技術であり、この問題の文脈には合いません。IPマルチキャストは、データを複数の受信者に同時に送信するための技術であり、一対多の通信に使用されますが、IPアドレスの変換には関係ありません。NTP(Network Time Protocol)は、コンピュータ間で時刻を同期するプロトコルであり、IPアドレスの管理とは無関係です。したがって、これらは問題の要件を満たしません。
したがって、プライベートIPアドレスを使用するLAN上の複数の端末が一つのグローバルIPアドレスを共有してインターネットにアクセスする仕組みはNAPTが正解です。この技術により、ポート番号の識別を通じてIPアドレスの対応関係が効率的に管理され、リソースの節約とセキュリティの向上が図られます。