応用情報技術者試験 令和2年秋 午前問16 解説付き過去問
問題
記憶領域の動的な割当て及び解放を繰り返すことによって、どこからも利用されない記憶領域が発生することがある。
このような記憶領域を再び利用可能にする機能はどれか。
正解
解説
記憶領域の動的な割当てと解放が繰り返されることにより、利用されない記憶領域が発生する問題に関して理解することが重要です。この過程で発生する不要な記憶領域を効果的に再利用するための機能を探求します。
- 動的メモリ管理の基本
動的メモリ管理とは、プログラム実行時に必要に応じてメモリ領域を割り当てたり解放したりするプロセスを指します。プログラムがメモリを必要とする際にヒープ領域から割り当てを行い、不要になったメモリは解放されます。しかしながら、この繰り返しによりメモリ内には小さな使われない領域が散在し、これがフラグメンテーション(断片化)を引き起こします。 - ガーベジコレクションの役割
ガーベジコレクションは、プログラムが自動的にメモリの管理を行うプロセスです。このシステムは、どこからも参照されなくなったオブジェクトを「ガーベージ」として識別し、そのメモリ領域を解放します。このプロセスによって、メモリ内の利用されていない領域を効率的に再利用可能な状態に戻すことができます。さらに、ガーベジコレクションはメモリリークを防ぎ、プログラムの安定性とパフォーマンスを向上させるのに寄与します。 - スタックとヒープとの区別
スタックは、関数の呼び出しとそれに伴うローカル変数の割り当てに使用されるメモリ領域であり、LIFO(後入れ先出し)方式で動作します。一方、ヒープは動的に割り当てられるメモリで、プログラムの実行中にサイズが変動する可能性があります。フラグメンテーションは主にヒープで問題となりますが、ガーベジコレクションは主にヒープ内の不要なデータを対象に機能します。
したがって、動的なメモリ割当てから生じる利用されない記憶領域を効率的に再利用する機能は「ガーベジコレクション」です。これは不要になったメモリ領域を自動的に識別し、解放することでメモリ管理を最適化します。