応用情報技術者試験 令和7年春 午前問52 解説付き過去問
問題
EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで、進捗に関する指標値は次のとおりであった。
このプロジェクトに対する適切な評価と対策はどれか。
〔進捗に関する指標値〕
CPI(コスト効率指数):0.9
SPI(スケジュール効率指数):1.1
BAC(完成時総予算)に基づくTCPI(残作業効率指数):1.2
〔進捗に関する指標値〕
CPI(コスト効率指数):0.9
SPI(スケジュール効率指数):1.1
BAC(完成時総予算)に基づくTCPI(残作業効率指数):1.2
正解
解説
この問題は、Earned Value Management(EVM)を使用したプロジェクト管理の中での指標値を元にしたプロジェクトの現状評価と必要な対策を問うものです。
- CPIとSPIの意味と現状の評価
CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)は、実際の作業成果に対してどれだけのコストがかかったかを示します。ここでのCPIが0.9という値は、予算に対して実際のコストが過剰に発生していることを意味します(つまり、コスト効率が計画を下回っています)。
一方で、SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)が1.1であることは、プロジェクトが計画よりも進捗が良いことを示しています。 - TCPIの解釈と対策の必要性
TCPI(To Complete Performance Index:残作業効率指数)は、プロジェクトを計画通りに完成させるために今後どれだけのコスト効率が必要かを示します。値が1.2とは、残りの作業において計画より20%高い効率が必要であることを意味し、コスト管理がこれまで以上に重要であることを示しています。
この情報から、プロジェクトはコスト超過のリスクがあり、計画よりも高効率で作業を進めるか、あるいは追加資金の確保が必要であることが分かります。
したがって、適切な評価は「コストが予算を超えているため、完成時総予算を超過する恐れがあるが、スケジュールには余裕があるので、残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか、コンティンジェンシー予備費の使用を検討する」が正解です。この選択により、プロジェクトは予算内で完了する可能性を高めることができます。