応用情報技術者試験 令和7年春 午前問12 解説付き過去問
問題
二つのシステムA、Bの稼働率をそれぞれαA(0<αA<1)、αB(0<αB<1)、MTBFをそれぞれMTBFA、MTBFB、MTTRをそれぞれMTTRA、MTTRBとしたとき、これらの関係として、常に成り立つものはどれか。
正解
解説
この問題は、システムの稼働率(α)とそのシステムの平均故障間隔(MTBF:Mean Time Between Failures)および平均修復時間(MTTR:Mean Time To Repair)の関係を理解することに焦点を当てています。稼働率は、システムが稼働している時間の割合を示し、MTBFとMTTRを使って計算されます。
- 稼働率の定義
稼働率 α は、MTBF と MTTR を用いて α = MTBF / (MTBF + MTTR) で表されます。この式から、MTBF が長く、MTTR が短いほど稼働率は高くなります。 - 選択肢の検討
選択肢を見てみると、αA=αBの場合、両システムの稼働率が等しいとされています。この条件下で、MTBF と MTTR の比(MTTR/MTBF)も等しくなるというのが正解の選択肢です。これは、稼働率の式を変形することで確認でき、α = MTBF / (MTBF + MTTR) を MTTR / MTBF について解くと、MTTR / MTBF = (1 - α) / α となり、αが等しい場合にはこの比も等しくなります。 - 他の選択肢の誤り
他の選択肢では、αの大小関係からMTBFやMTTRの絶対値が等しい、または比較できるとされていますが、これは誤りです。αの値が同じでも、MTBFやMTTRの絶対値が異なっていても、その比率が同じであれば稼働率は等しくなります。したがって、MTBFやMTTRの絶対値が直接比較される選択肢は適切ではありません。
したがって、正解は「αA=αBならば、MTTRA/MTBFA=MTTRB/MTBFBである」となります。これは、稼働率が等しい場合にはそれを導出するためのMTTRとMTBFの比も等しいという事実に基づいています。