応用情報技術者試験 令和6年春 午前問1 解説付き過去問
問題
複数の袋からそれぞれ白と赤の玉を幾つかずつ取り出すとき、ベイズの定理を利用して事後確率を求める場合はどれか。
正解
解説
ベイズの定理は、ある事象が発生した後に、その原因が特定の条件に基づくものである確率(事後確率)を求めるための統計手法である。事前確率、条件付き確率、および周辺確率を用いて、観測結果に基づき原因を推測することができる。
- ベイズの定理の概要
ベイズの定理は、次の式で表される。
P(A|B) = P(B|A) × P(A) / P(B)
ここで、
- P(A|B) は、事象 B が発生したときの事象 A の事後確率
- P(B|A) は、事象 A が発生したときの事象 B の発生確率(条件付き確率)
- P(A) は、事象 A が発生する事前確率
- P(B) は、事象 B が発生する全体の確率(周辺確率) - 問題における適用
袋の選択と玉の色の関係を考えた場合、取り出した玉の色が観測されたときに、それがどの袋から取り出されたかを推定する確率を求めるのはベイズの定理の典型的な応用例である。これは、事象(玉の色)が観測された後に、どの袋が選ばれたかという事後確率を求めるケースに該当する。 - 他の選択肢との比較
- 取り出した二つの玉の色が同じである確率を求める場合は、独立確率の計算であり、ベイズの定理を使用する必要はない。
- 異なる袋から取り出した玉の色が同じである確率を求める場合も、単純な確率計算で求めることができる。
- ある袋が選ばれる確率は、事前確率に基づくものであり、事後確率を求めるベイズの定理の適用範囲ではない。