応用情報技術者試験 令和6年秋 午前問37 解説付き過去問
問題
企業内のクライアントからクラウドサービスへのアクセスにSAML認証を利用したときのシステムの動作に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ここで、利用者IDとパスワードは企業内のディレクトリサービスで管理し、利用者認証は企業内の認証サーバで行う。
正解
解説
SAML(Security Assertion Markup Language)認証は、シングルサインオン(SSO)を実現するための標準規格であり、企業内の認証サーバで認証を行い、その認証情報をクラウドサービスに提供する仕組みである。
SAML認証の流れは以下の通りである。
選択肢の正誤について説明する。
SAML認証の流れは以下の通りである。
- 利用者がクラウドサービスにアクセスすると、クラウドサービス(サービスプロバイダ)は、利用者を企業内の認証サーバ(アイデンティティプロバイダ)にリダイレクトする。
- 利用者は認証サーバでIDとパスワードを入力し、認証サーバが認証を行う。
- 認証に成功すると、認証サーバはSAMLアサーション(認証情報)をクライアント経由でクラウドサービスに送信する。
- クラウドサービスは受け取ったSAMLアサーションを検証し、利用者のアクセスを許可する。
選択肢の正誤について説明する。
- 認証サーバから認証結果をクライアント経由でクラウドサービスに送信する
SAML認証の標準的なフローでは、認証サーバが認証を行った後、クライアント経由でクラウドサービスにSAMLアサーションを送信する。このアサーションをクラウドサービスが検証することで、認証が完了し、利用者のアクセスが許可される。 - クラウドサービスがディレクトリサービスに利用者IDとパスワードの送信を要求する
クラウドサービスは利用者の認証を直接行わず、企業内の認証サーバに委任するため、ディレクトリサービスに直接問い合わせることはない。 - 認証サーバからクラウドサービスに、利用者IDとパスワードを送信する
SAMLでは、認証サーバが利用者のパスワードをクラウドサービスに送信することはなく、代わりにSAMLアサーション(認証情報)が送られる。 - 利用者が入力したパスワードとクラウドサービスから送信された乱数を組み合わせ、ハッシュ化して送信する
これは一般的なチャレンジレスポンス認証の方式であり、SAML認証の仕組みとは異なる。SAML認証では、パスワードをクラウドサービスに送信せず、認証サーバが認証を行い、その結果をSAMLアサーションとしてクラウドサービスに送信する。