応用情報技術者試験 令和6年秋 午前問18 解説付き過去問
問題
仮想記憶方式において、セグメンテーション方式と比較した場合のページング方式の長所はどれか。
正解
解説
この問題は、仮想記憶方式におけるページング方式とセグメンテーション方式の違いに関する知識を問うものです。
ページング方式の特徴
ページング方式は、仮想アドレス空間と物理アドレス空間を固定長のブロック(ページ)に分割し、それを単位として管理します。この方式の主な長所には以下の点があります。
- 主記憶の外部断片化が発生しない
ページング方式では、物理メモリが固定長のページ単位で管理されるため、空きメモリが細切れになる外部断片化が発生しません。一方、セグメンテーション方式では可変長のセグメントを使用するため、外部断片化が発生する可能性があります。
- メモリ管理が効率的
固定長のページ単位でメモリを割り当てるため、メモリの割り当てと解放が効率的に行えます。また、どのプロセスにも均等なページサイズが適用されるため、管理が簡単です。
その他の選択肢について
以下に、ページング方式では長所とならない選択肢について説明します。
- 記憶領域へのアクセス保護を論理的な単位で行うことができる
これはセグメンテーション方式の長所です。セグメントはプログラムの論理構造(例: コードセグメント、データセグメント)に基づいて分割されるため、論理的な単位でのアクセス保護が容易です。
- 記憶領域をプログラム間で容易に共用することができる
これはセグメンテーション方式が得意とする機能です。セグメント単位で共有可能なため、複数のプロセス間で同じセグメントを利用できます。
- 実行時に記憶領域の大きさを動的に変えることができる
これはセグメンテーション方式の長所です。セグメントのサイズを動的に変更できるため、柔軟なメモリ管理が可能です。
したがって、ページング方式の長所として正しい選択は、「主記憶の外部断片化が発生しない」です。