応用情報技術者試験 令和6年秋 午前問13 解説付き過去問
問題
データアクセス方式の一つであるオブジェクトストレージに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解
解説
オブジェクトストレージは、クラウドやビッグデータの環境で広く使用されるデータ管理方式で、データとそれに関連するメタデータをセットで保存し、各データを一意に識別する固有の識別子を使用してアクセスする仕組みです。
オブジェクトストレージの主な特徴は以下の通りです:
- データとメタデータをセットで保存
保存するデータに加えて、そのデータに関する情報(メタデータ)も一緒に保存することで、検索や管理を容易にします。 - 固有の識別子によるデータアクセス
各データには一意の識別子(ID)が割り当てられ、この識別子を用いてデータにアクセスします。これにより、従来のファイルストレージのような階層構造を持たずにデータを効率的に管理できます。 - スケーラブルな設計
オブジェクトストレージは大量の非構造化データ(画像、動画、ログファイルなど)を効率的に保存することを目的としており、容易に容量を拡張できます。
各選択肢について検討すると:
- 「ストレージにファイルシステムを構成し、ファイル単位でデータにアクセスする」
これはファイルストレージの特徴であり、オブジェクトストレージの仕組みとは異なります。 - 「ストレージの論理ボリュームを決まったサイズに分割し、その単位でデータにアクセスする」
これはブロックストレージの説明です。ブロック単位でデータを管理する方式であり、オブジェクトストレージには該当しません。 - 「データとメタデータをセットにして保存し、階層構造にすることによってデータにアクセスする」
階層構造に基づくデータアクセスはファイルストレージで使用される方式です。オブジェクトストレージでは階層構造を持たず、識別子によるアクセスを行います。 - 「データとメタデータをセットにして保存し、固有の識別子でデータにアクセスする」
これがオブジェクトストレージの特徴を正しく説明しています。識別子によるアクセスにより、高い柔軟性とスケーラビリティが実現されています。