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次回試験日:2025年4月20日(あと1日)

応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問44 解説付き過去問

問題

DKIM(DomainKeys Identified Mail)に関する記述のうち、適切なものはどれか。

正解

解説

この問題は、電子メールに関する送信ドメイン認証技術の一つである「DKIM(DomainKeys Identified Mail)」の仕組みと役割について理解しているかを問うものです。

  1. DKIMの概要
  2. DKIMは、電子メールの送信元ドメインの正当性を確認し、なりすましを防ぐための技術です。
    送信者のドメインに対応する秘密鍵でメールにデジタル署名を付与し、受信者側で公開鍵を使って署名を検証することで、メールの改ざんや送信元の詐称を検知することができます。

  3. 送信時の処理
  4. 送信側のメールサーバでは、メールの一部ヘッダと本文に基づいてハッシュ値を生成し、それを送信ドメインに対応する秘密鍵で暗号化して、電子署名としてメールに付加します。
    署名はヘッダフィールドに「DKIM-Signature」として追加され、DNSに公開されている公開鍵と対応するようになっています。

  5. 受信時の処理
  6. 受信側のメールサーバは、送信されたメールの「DKIM-Signature」ヘッダに含まれる情報をもとに、DNSから公開鍵を取得します。
    そして、メール本文とヘッダのハッシュ値を計算し、署名と照合することで、内容が改ざんされていないか、正当な送信者から送られてきたかを検証します。

  7. 他の認証技術との違い
  8. 以下は、他の送信ドメイン認証技術や関連機能です。

    • SMTP-AUTH:メール送信者をIDとパスワードで認証する技術(ユーザ認証)
    • DMARC:SPFやDKIMの認証結果に基づき、失敗時のメール処理方針を定める技術
    • SPF:送信元IPアドレスがドメインに許可されているかをDNSで確認する技術

したがって、DKIMは送信側のメールサーバで電子メールにデジタル署名を付与し、受信側のメールサーバでその署名を検証して送信元ドメインの認証を行う技術です。