応用情報技術者試験 令和5年秋 午前問35 解説付き過去問
問題
IPv4ネットワークにおけるマルチキャストの使用例に関する記述として、適切なものはどれか。
正解
解説
この問題は、IPv4ネットワークにおけるマルチキャストの使用例として適切なものを選ぶ問題です。以下の手順で解説します。
- マルチキャストの概要
- RIP-2とマルチキャストの関係
- 他の選択肢との比較
- DHCPは、IPアドレスなどの情報を自動的に割り当てるために使用されますが、通信にはブロードキャストが使われます。
- ARPは、IPアドレスに対応するMACアドレスを得るためのプロトコルで、これもブロードキャストを使用します。
- SMTPによるメーリングリストへの一斉配信は、メールサーバが受信者ごとに個別に送信するため、IPレベルのマルチキャストは使われません。
マルチキャストとは、1対多の通信方式であり、特定のグループに属する複数のホストに同時にデータを送信するために使用されます。
ブロードキャストと異なり、すべてのホストに送信するのではなく、あらかじめ登録されたグループ宛に限定して送信する点が特徴です。
IPv4におけるマルチキャストアドレスは、「224.0.0.0 ~ 239.255.255.255」の範囲に割り当てられています。
RIP(Routing Information Protocol)は、ルータ間で経路情報を交換するためのルーティングプロトコルです。
RIPにはバージョン1とバージョン2がありますが、RIP-2ではマルチキャストが使用されます。
RIP-2は、経路更新情報をマルチキャストアドレス「224.0.0.9」に送信することで、隣接するルータのグループだけに効率よく情報を伝達します。
このように、RIP-2はマルチキャストの具体的な使用例の一つです。
問題文にある他の事例について、それぞれマルチキャストが使用されているかを確認します。
したがって、IPv4ネットワークにおけるマルチキャストの使用例として適切なのは、RIP-2が隣接ルータのグループに経路更新情報を送信する場合です。